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Urban dwellers in the sticks.

今頃は・・・。

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就職直後に赴任した場所は田舎の地方都市で

そこでフライフィッシングを覚えた。


殆ど定時に終業する為、車に釣り竿を忍ばせ

そのまま夕方の渓流に向かい真っ暗になるまで釣りをした。

週末も釣り三昧で、教えてくれた友人も

「異常な上達だな。」と感じるほどだった。


幾つかあったお気にいりの釣り場の中に

10軒ほどの小さな集落の小さな流れがあり

そのはずれには、とても小さいながらも

一軒の炭焼き小屋があった。

気になっていたその小屋に

何回目かの釣りの際に立ち寄ってみた。

想像していた通りの

それまでの人生を表すような深い皺が刻み込まれた

浅黒い70代後半くらいの老人が小屋の番をしていた。


お茶を頂きながら聞く話はどれも興味深く新鮮だった。

でも、この仕事も後継者がなく自分が最後になるという。

その頃、不慣れな仕事に付いて行けず色々悩んでいた私は

もう少しのところで「弟子にしてもらえませんか?」と直訴しそうだった。

しかし現実的に考えれば、それは単なる憧れで

街場で生まれ育った若造などが務まる訳ではない事くらい

容易に理解できた。

そしてその言葉を心に秘めたまま転勤になり

その土地を後にした・・・。


あの時、もしあの言葉を発していたら

今頃どうなっていたのだろうか。

それはそれで苦労しながらも

生き甲斐を持って暮らしているかもしれない。

でも言えなかったと言う事は

それを担うだけの器ではなかったのだろうか・・・。


どちらにせよ、あの里山での数年間の営みが

今の自分に少なからず影響を与えている・・・。

それだけは確信をもって言える。

by snufkins0019 | 2013-05-01 00:19 | 月末column | Comments(3)
Commented by roseyrosey at 2013-05-03 17:08
「弟子にしてもらえませんか?」という気持ちが不意に
沸き上がってくる。。。
同じような事を私も思ったことがあります。
でも、言えなかったのは現実的な事と、自分のちっぽけな
感傷のようなものも含めて 自分には言う資格も覚悟もなかった
んだなと当時も思いました。

伝統工芸も後継者がなくて、この代限りという話をよく耳にします。
今はもう己の寿命が修行の時間より短くて無理ですが
若い時に思い切って飛び込んでいたら人生はまた違う展開に
なっていたかもしれませんね^^
Commented by roseyrosey at 2013-05-03 17:10
PS...

そんなことを、つらつらと思い浮かべて 人生を振り返るには

もってこいのいい月ですね〜。
Commented by snufkins0019 at 2013-05-04 22:51
★ roseyroseyさん
こんばんは。
伝統工芸が大切なのはわかっていても
社会全体がfast styleなので、守り続けるのは難しいでしょうね。
その恩恵にどっぷり浸かっている自分も
偉そうなことを言えない立場なのですが・・・^^;

基本、たら・・・、れば・・・、は考えない方なのですが
歳をとってきた証拠なのでしょうか^^;


今の気持ちをそのままに・・・。手ブレ ピンボケ気にしない・・・。


by snufkins0019

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